暮れに書く原稿というのは年が変わってから世に出ることが多く、
例えば「今年」と書けば、その時点での“翌年”を意味し、
「昨年」と書けば“今年”を意味する。

次の年への思いを馳せつつ作業ができるあたりに、
少しばかりこの仕事の楽しさがあるのではないかと思うのです。

 

そんなことも、仕事がある程度落ち着いたからこそ書けるのであって、
実際のところは、この年末も何かに迫られているような感覚を覚えつつ
日々を送っていたのでした。

宗教的な意味合いなど抜きにしてその華やかさや、
ご馳走をいただけるだとかプレゼントをもらえるだとかのハッピーさがあって
子供の頃からクリスマスは大好きなイベントなのですが、
今年は数々のミッションの存在に気を取られ
1人焦っていた聖なる夜でありました。

 

年末年始休暇が控えている関係から、
締切が前倒しになることを「年末進行」といいます。

クリエイティブな仕事をしていると、避けられないものであり
1年のうちでそこそこ比重の高い勝負どころとなります。

同様のものとして、お盆休暇を控える時期に
締切が前倒しになることは「お盆進行」と呼びます。

 

これらそのものが存在することはなんら問題はなくて、
締切が前倒しされることは後先考えると好都合になることもあるのですが、
なにぶん進行真っ只中にいるときは、それはもうハード中のハード。

もっとも、こちらとしては
年末年始関係なく仕事をする分には何も厭わないのですが、
クライアント企業としてはそうもいかない。

「よっしゃ任せとけ!」なんて気分にさせてくれる企業さまが多くて、
そのときはルンルンで依頼を受け取るのですが、
そんなルンルン気分に酔いしれているうちに
年の瀬に身を置かれてしまい、気づかぬうちに焦燥感を抱き
すべてを自覚したときには「あぁどうしたことか」となっているわけです。

 

今年は特に難儀な年末進行だったように感じています。

ただ、実際は毎年同じことを感じていて、
じゃあ年々その大変さは増してきているのかというと
終わってみるとそうでもないような気がする。

 

考えてみたら、去年までは雑誌の締切もあって、
それなんかは外注のクリエイターにあーだこーだと指示を出していた側で
自らが進めていかねばならぬ作業と並行して
他者の様子をうかがうという工程も入ってきていたわけで。

もっと言ってみれば、仕事量がピークだった時代には
元日出勤までして原稿作成をしていたこともあったっけ。

それと比べたら、今は自らのスキルも上がってきて
要領もよくなっていて、あの頃のような苦しさなど味わうことなく
年末進行に臨むことができているのですよね。

 

結局のところ、「年末進行とっても大変!」と思わないと
お尻に火が点かない、ということなのでしょうね。

 

そんなこんなで、どうにか問題なく
年越しを迎えられそうです。

来たる年に持ち越した仕事もあるような気がしているのですが、
どうにかなるのではないでしょうか(笑)

 

年明け早々にも、私の書いた記事が
各所にアップされる予定ですので、
ぜひご一読いただけるとうれしいです。

 

それでは。

The Syunsuke FUKUMITSU
福光 俊介

 

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