しばしの東京滞在です。

 

 

「ロードレース・カタカナ表記ミーティング」なる
メディア会議に出席しました。

 

テレビ・雑誌・WEB、その他あらゆるメディアで
サイクルスポーツがクローズアップされることが増え、
それに比例して注目度も上がってきている昨今。

そんな中、外国人選手や海外レースに触れる際に
選手名やチーム名、レース名などの統一カタカナ表記が日本には存在せず、
ファンや視聴者、読者がいささか困惑するといった事態が
起きている実情があります。

これはサイクルスポーツに携わるジャーナリストにとっても
悩みの種であり、どう対処していくかという点で
考えどころでありました。

そこで、年の瀬を迎え
新たなシーズンのスタートが見えてきたこのタイミングで、
フリーランスサイクルフォトグラファー・辻啓さんの音頭で
媒体の垣根を越えて会議をしようという運びになりました。

 

サイクルスポーツを報じるテレビ・雑誌・WEBの関係者のほか
私のようなフリーランスも含め、
約20人のジャーナリスト・有識者が集いました。

 

サイクルメディアの垣根を越えた大型会議に出席しています。
#cycling
#roadrace
#meeting
#media

福光 俊介さんの投稿 2016年12月13日

 

結論から書くと
統一見解や大きな決定事項が確認された・・・といったところまでは至らず、
ひとまずは問題意識の共有と課題の共通認識という形で
第1回のミーティングを終えました。

というのも、
やはり各媒体ごとのルールや考え方があり、
それを覆してまで今後報じていくというのは
いくらなんでも無理があります。

したがって、今のところは媒体間やジャーナリスト間の
信頼関係を築いていきながら
今後に向けてよりよい形を模索していくことを最優先した、
というのが実際のところ。

ただ、「可能な限り原音に忠実なカタカナ表記を目指す」という意味での
選手名・チーム名・レース名の確認はおおむねできたので、
初開催の会議としては充実した内容でした。

この先、今回確認した事柄を取り入れていくかは
それぞれの媒体の判断にゆだねられます。

 

少々脱線しますが、
このミーティングがSNSを中心に
一部のサイクルスポーツファンに期待をしていただいていた一方で、
「そこまでこだわる必要はないのではないか」といった
意見があるのも事実です。

 

かつて、「Cycling Tips」というオーストラリア系サイクルWEBの日本語版で、
ライターとして執筆や翻訳をさせてもらっていたのですが、
私とは別のライターがこの件に近い記事を執筆したことがあります。

選手名やチーム名の原音について解説したものだったのですが、
その反響として「日本のファンが認識できればどんな形でもよい」といった声が
思いのほか多かったのです。

媒体によって表記が多少異なっていても、
それが誰なのかさえ分かれば問題がない。

そういった考え方も一理ではあると思います。

 

もっとも、ファンやジャーナリストを含め
サイクルスポーツ界全体が都度起きる変化に
柔軟に対応してきているわけですから、
そのあたりの考え方も変わってきてしかるべき。

つまりは、カタカナ表記を統一すべきかどうかの
捉え方も今と以前とでは違ってきていても
なんら不思議ではないということです。

 

ちなみに、私個人のスタンスとしては
あくまでもニュートラル。

フリーランスの立場ですし、
寄稿する媒体の方針に合わせる。

ここに尽きます。

私自身は慣れもあり、
多少の表記や発音の違いには
寛容であると自認しています。

よほどムズムズするような・・・、
例えばスペイン人選手の名を呼ぶ際に母姓を言ってしまうような
(アルベルト・コンタドールベラスコを「ベラスコ」と言うような)
そんな具合でさえなければ気にしていなかったりするわけです。

とはいえ、ジャーナリストの立場としては
そのまま見過ごしてよい問題・課題ではないので
臨機応変さを持ち合わせつつ
その都度アップデートしていく必要性を
今回のミーティングで改めて実感した次第。

 

不定期ながら、このミーティングは
今後も継続していく運びです。

さぁ、これからどう流れていくのでしょうか。

トップシーンで活躍する選手やスタッフが口にする、

 

どうなるか見てみよう

 

このフレーズがピッタリくるのであります。

 

それでは。

The Syunsuke FUKUMITSU
福光 俊介

 

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